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「はー、歌った歌ったー!」
夜の11時。
天童と近藤を引き連れて行ったカラオケで、かなり盛り上がってしまってこの時間。
カラオケに行ってビックリしたのだが、天童……物凄く歌が上手い。
あの悪魔のどこからこんな声が出てくるのか本気で気になる。
私は家の扉を開けて、玄関で靴を脱いだ。
部屋に向かう途中で、リビングが明るくなっている事に気がつく。
妹の知可は11時には寝ているはずだ。だとしたら、まさかお母さん?
お母さんは夜の出張で、今日はいないはずなんだけど……。
でもリビングには明かりが……。
「あら優子、帰ったの」
「あ、お母さん……」
リビングにいたのはお母さんだった。鏡の前に座り、化粧をしている。
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