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「…まぁ…な。それくらいしか出来ねぇもんな…」
「そうだね…。それでいいのかもね…僕に…僕達に出来ることをやっていけたら素敵だよね!」
「そうだね」
顔を見合わせて3人は笑いあった。
「今日は、楽しかったよ。ゼフェル、ありがとうな、誘ってくれてさ」
「おう」
「僕も楽しかった。いきなりだったのには、少しビックリしたけど」
「それさ、ルヴァに望遠鏡、借りに行った時にさ。天体観測をするなら今日が絶対良いって言うからよぉ。確に、月の明かりの無い方が天体観測向きではあるから、今日はベストコンディションなんだけどな」
確に今日は月がなく星がよく見えた。
「絶対って所がひっかかるというか何て」
「あーー!」
いきなりランディが大声をあげて、空を指差した。
「ランディどうしたの?」
「流れ星だよ!今流れたっ!」
「流れ星だぁ?…どこだよ?」
「だから、さっき…ああまたっ!」
また一つ星が流れた。
「今度は僕にも分かったよ!」
そして、また一つ。
「おっ!まただ」
星がまた一つ流れた。
そして、3人の見上げる空に、また一つ。また一つと、その数は増えていく。
何十から何百へとその数は増えていく。
――――――そして、流星が空を覆い尽した。
「すごいっ!すごいよ!ゼフェル!ランディ!」
「すげぇ………。ルヴァの野郎…知ってやがったな…。だから、今日にしろって…」
「そうだ!願い事してみないか?」
「はぁ?何言ってんだ」
「言うじゃないか?流れ星に願い事すると叶うって」
「やろうよ!ゼフェル」
そう言うが早いかマルセルは胸の前で指を組んだ。
「皆が…幸せで笑っていますように!」
「じゃあ、俺は…。皆が、元気で過ごせますようにっ!」
二人は真ん中に立つゼフェルに目を向ける。
「わーったよ…。えっと…なんだ……ああもう!とにかく、いろんな奴の願いが叶いますようにっ!!」
最後の方は叫びながらゼフェルは言う。
それを見て、マルセルとランディは笑いあった。
そのうちに、ふてくされていたゼフェルも笑いだした。
流星が降り続ける丘に、ただ笑い声だけが響いていた。
fin。
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