こっちとあっちの17歳。

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日の曜日。 場所は聖獣の聖地の宮殿の庭にある一番見晴らしのいい木の、枝。 その枝に仁王立ちで立ち、遠くを見ている人物がいた。 聖地に嵐を呼ぶ男・聖獣の宇宙の風の守護聖ユーイ。彼は珍しく(失礼)も真剣な顔をして遠くに見える海を見ていた。 「風もいい感じだ。この分だと波も穏やかなハズだから、やっぱり今日じゃなきゃダメだな。うん、ダメだ」 うん。と一人で納得してから、枝を飛び下りようとして、 「あっ」 止めた。 そのまま枝に座って足を振りつかせながら、 「オレ道知らなかった」 そう。まだ聖地に来てから日が浅いユーイは海までの道を知らなかったのだ。 行きたい行きたいと思ってはいたが、不安定な聖獣の宇宙。 休み返上で執務に取り組んでいたユーイは、まだ聖地の外に出たことがなかった。 今日の宇宙は安定していて、漸く守護聖全員に休暇がやって来たわけである。 考え込みながら、そのまま後ろに倒れて、両膝の裏を使って、逆で枝にぶら下がる。 他の守護聖が見れば卒倒するような、アクロバティックな格好で、目を瞑ってしばらく考え込んでいたユーイ。 そんな、彼の出した結論は。 「走ってればその内着くな」 「どこにだよ?」 「うわっ!」 近くで聞こえた声に、驚いて枝から足を離してしまった。 まっ逆さまに落ちるかと思いきや、そこはやっぱり天然野生少年。空中でクルッと一回転して、無事に着地。
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