こっちとあっちの17歳。

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宮殿の庭での会話から、しばらくして、二人を乗せたエアバイクは、聖獣の聖地の空を飛んでいた。 空は快晴。風も穏やかに吹いている。 絶好のエアバイク日和。 「ゼフェル様っ。空を飛ぶってこんな感じ何だなっ!オレ初めてだゾ!」 「だあっ!わーった!わーったから!立ち上がるなっ!ゆらすんじゃねぇ!落ちても俺は、絶っ対、助けてやんねぇからなっ!!」 そう。絶好のエアバイク日和なのだ。 ――――1人なら。 初めてエアバイクに乗ったのか、はしゃぎっぱなしのユーイ。 今なんて両手を離して立ち上がっている。 普通の人間ならその高度に怖じけづいて、手を離すことなんて絶対やらない筈だが。しかも、立ち上がるなんて。 「風が気持ちいいぞ。ゼフェル様もやるか?」 「誰がやるかっ。俺がやったらおめーも落ちるからなっ。俺は巻き添えをくうのはゴメンだね。…とにかく座れっ。スピード上げっから」 その言葉に素直に従うユーイ。 その様子を見ながらゼフェルは小さく溜め息を付いた。 まったく、どうして、声をかけてしまったのか…。 今日は朝からツイてないと思う。 下界に行ったことがジュリアスにばれ、日の曜日だと言うのに呼び出しをくらった。 やってられるかと、エアバイク持参で聖獣の宇宙に逃げて来たのだ。そうしたら、木にぶら下がっているユーイを見つけて、声をかけてしまった。 「まったくよ…ツイてないぜ」 「何だ?どうかしたか?ゼフェル様?」 「なんでもねぇっ!」 2人の目の前に段々と海は近付いて来ていた。
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