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「海だ!ゼフェル様!」
「見りゃ分かる。…問題はコイツを何処に置くかだよな…さてと、何処に降りるか」
下は森が広がっている。
エアバイクが着陸しやすそうな場所を見つけ、高度を下げていた時だ。
「ゼフェル様、オレ先に行ってるからな!」
「おいっ!何言っ」
待ち切れなくなったユーイは、エアバイクから飛び降りてしまった。
そして、揺らぐ事なく着地し、海に向かって走っていってしまった。
その姿を見て、ゼフェルは本日何度目かになる、溜め息を尽きながら呟いた。
「あいつ…どこまで野生児なんだよ…」
ゼフェルが海に着いた時にはユーイは、既に砂浜に上着と靴を脱ぎ捨て、海で泳いでいた。
波間から、時々息継ぎの為に顔出すのが、見える。
「なんつぅか…ああ言うのを『水を得た魚』っていうのか?」
楽しそうに泳ぐユーイを横目に見ながら、少し砂浜を歩く。寄せては返す波は穏やかで。
そのうちに、寝やすそうな木陰を見つけて、そこに腰を降ろした。
バイクが水陸両用なら海の上で走らせてぇんだけどな。今度、持って来て走らせるか。
…今度はぜってぇー1人で来てやるからなっ!
しばらくすると、昨夜の夜遊びの疲れか、はたまた穏やかな陽気のせいか、ゼフェルはそのまま眠ってしまった。
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