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ユーイはぷかぷかと波間に浮かんで空を眺めていた。
雲がゆっくりと流れていく。
「やっぱり海はいいなぁ」
海の中まで続く白い砂。沖に行けば、珊瑚礁が連なり、その間を泳ぐ魚の群れ。
ユーイにとってやっぱり海は特別な場所だと思い出させてくれる。
今度は守護聖と、それから聖天使を誘ってみんなで来よう。
きっと楽しいはずだから。
「さぁて…もう一泳ぎするか…」
その時だ。目の端できらりと光るものがあった。
「…何だ?」
それを確かめるためにユーイはもう一度海へと潜っていく。
砂に半分埋もれていたのは、貝殻で、海面に出て、みてみるとそれは綺麗な桜色をしていた。
「聖天使に土産にしよう」
ズボンのポケットに入れ、沖に向かって泳ぎだした。
海からユーイが戻ってくるとゼフェルも調度目を覚ましていた。
「楽しんだかよ?」
「ああ。ゼフェル様、今日は連れてきてくれてありがとう」
「別に。ほら、とっとと、帰るぞ。夜になっちまう」
「うん」
脱走・ついでに夜遊び常習犯の自分はいいが、ユーイはまずいだろうと思い、聖地に帰る事にした。
「なぁなぁ、ゼフェル様」
「なんだよ?」
「なんでこっちの宇宙に来たんだ?」
まさか、ジュリアスの説教から逃げて来た、とは言えず。
「おめぇには関係ないだろうが!気にしてんじゃねぇ!」
「何怒ってるんだ?」
「怒ってねぇ!」
「怒ってるぞ」
帰りも騒がしく、二人は海を後にした。
そのあと、聖地に戻った二人を待っていたのはジュリアスにゼフェルの捕獲を命じられたオスカー。
そして、そのオスカーに見事に捕獲されたゼフェルはジュリアスに特大の雷を貰うのだった。
FIN
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