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高台にある閑静な住宅街。
皆が少し遅く起きる休日の早朝。
まだ、空気は肌寒い。
人通りも少ない道を1人の青年が走っていた。
彼の名前はランディ。
高校3年生。
今は、日課となっている、家から公園までのジョギング中だ。
その途中で近所の家の犬を連れて(朝の散歩だけ頼まれている)公園でフリスビーをしたり、老夫婦と話をしたり、ランディを真似してジョギングを始めた子供達の相手をしたり。
その間も常に笑顔を絶やさない。
すぐ下の弟いわく、
「無駄に爽やかヤロー」
それが、ランディなのである。
「ランディ兄ちゃん!まったね~ぇ」
「ああ!気をつけてな」
家の近くの十字路で子供達と別れる。
そのまま、家まで走ろうとすると、家の前に見慣れた髪色をした青年がいるのを見つけた。
「あ」
相手もこちらに気がついたのか、右手を上げた。
「おはようございます。オスカー兄さん。…また、朝帰りですか?」
「また、とはなんだ。またとは。仕方ないだろう?レディ達が離してくれなくてな」
彼はオスカー。
ランディの4つ上の兄である。大学4年生。
「昨日は…」
「全国大会の打ち上げだ。他の連中が羽目を外して飲み過ぎるから…」
大変だったぜ…。
オスカーは大学でフェンシング部に所属しており、今年最後の大会で彼は個人戦で優勝している。
「まぁ、今からは就職だの何だので忙しくなってくるからな。今のうちに騒いでおきたいというのもあったんだが」
苦笑しながら、オスカーは言う。
「坊やも今年受験だろう?」
「そうですけど…。それより、坊やって言わないで下さい!」
「これくらいで怒ってるようじゃ、まだまだ坊やだな」
言葉に詰まったランディを置いて、家に入っていく。はっと、我に帰ったランディも急いで家に入っていった。
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