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手に持っていた、酒瓶と花をそれぞれの墓石の前に置く。
「遅くなってわりぃな…忙しくてよ」
聖地に召されてから2度の女王試験。皇帝レヴィアスの侵略。そして、アルカディアでの出来事。解決後は執務と事後処理に追われる。当然、ゼフェルも例外ではなく。
めまぐるしく日々が過ぎていく。
その中で、ゼフェルは両親が亡くなったのを知った。無駄なことと知りながら、ゼフェルは情報を集め続けていたのだから。
聖地と外の惑星の時間は違う。聖地の一日が、その惑星の、何日、何ヵ月に相当する場合もある。
守護聖になったら二度と家族、友人には会えない。全く流れの違う時を過ごす事になる。それは強制的に守護聖となったゼフェルには許せない事だった。
だから、無駄だと知りながらも、情報を集め続ける事はゼフェルにとっての小さな抵抗。そして、聖地、守護聖、鋼のサクリアそれを司る守護聖としての自分自身、全てを否定していた、ゼフェルの心のよりどころだったのかもしれない。
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