流星に願いを~ほしにねがいを~

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宮殿の前には大きな噴水がある。 今夜ここに来るように、ゼフェルからメールが有ったのは、昼過ぎの事だ。 「早く来すぎちゃったのかな」 まだ、ここにはマルセル一人しか居ない。辺りを見渡しても人影はなく、ゼフェルが来る様子もない。 仕方なく、マルセルは噴水に腰掛け空を見上げた。 黒一色の中に、無数の小さな光が輝いている。 「綺麗だなぁ…」 星を見るのは好きだ。星にまつわる話を聞いたりするのも。 しばらく星を眺めていると、向こうから聞き覚えのある声がした。 「おーい!マルセル」 見ると向こうから歩いてくるランディとゼフェルの姿が見える。 「わりぃ、遅くなった」 「そんなには待ってないから大丈夫だよ。…それよりも、ランディは何を抱えているの?」 ゼフェルと一緒に来たランディは布に包まれた大きなモノを抱えていた。 「これかい?俺も良く分からないんだ。ゼフェルにいきなり渡されたから」 「それは、これから行く場所でゆっくり説明してやるよ」 行くぞ。そう言うとゼフェルは二人を残して歩き出した。 「ちょっと待て!ゼフェル。まさか…聖地の外に行くんじゃないだろうな?それだったら」 「何言ってやがる馬鹿ランディ野郎。聖地抜け出すのにおめぇらを連れていくわけねぇだろうが。今日は外に行くわけじゃないから、安心して着いて来い」
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