フェチ・シズム

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――――― とっくに見飽きてるDVDをパソコンで流しながら潰す時間。 「ぅんー…」 背凭れにしていたベッドの中でモゾモゾ動きだす拓也は腕を伸ばして俺に触れた。 「おはよー?」 「オハヨ、いま何時?」 「5時くらい?」 「あー…朝の?」 「夕方の、だっつの。ホラ眼鏡。」 テーブルの端っこに置いてあった眼鏡を渡すと、寝惚けたままのクセに擦り寄ってきた。 「シャンプーの匂いする。」 「そりゃ、風呂入ったからな」 「あ~…」 「お前も入ってくれば?」 「うん…、」 俺の肩に頭を置いて、また動かなくなる。 だけどグダグダするのはいつものこと。 「お前ってほんとうに寝起き悪いよなぁ」 「そんなスグには立ち上がれねーもん。」 「勃ってるから?」 お決まりの揶揄で呆れ 肩の重みを意識しないように視線を画面に戻したのに 「こっち、来ない?」 って、誘われる。 「はいはい。」 簡単に応える俺も俺だけど。 、
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