フェチ・シズム

20/23
前へ
/415ページ
次へ
「で、どうすんの?」 「お前ってさぁ…もう少し感傷に浸るとかないの? そんなスグに切り替えられるとか、薄情じゃね??」 大きく大きくため息のひとつもつきたくなる。 「感傷ねぇー… 終わった事よりこれからの事のほうが大事だから、二の足踏む時間が勿体ねーってなる」 「あー、うん。まぁ…そうね?」 (これからのことが大事とは、言ってくれるンだよな…) なら、過去に囚われるのは横に置いといてもいいのか。 浮気してたー、とか。 どっちが悪いとか、良いとか、好きとか、嫌いとか、全部。 “これから”の足掛かりになったとしても、悪い部分にだけ目を向けようとするのは、ちょっと違うしな。 「俺は渉が好きだよ。お前も俺が好きだろう?」 「…うん。」 「じゃ、それでいいじゃん。 お前が俺を抱きたいってんなら、俺も考えるしな」 「うー…それも、なぁ…」 セックスに拘ったのは自分のクセに、それもまた困るのだ。 「交代で、試して…ってのは?」 「それもいいな。どっちからにする?」 「俺からで、いいよ。 でも!次はぜったいに俺もするからな!?」 「いいよ、わかった。」
/415ページ

最初のコメントを投稿しよう!

529人が本棚に入れています
本棚に追加