529人が本棚に入れています
本棚に追加
「拓ー、ハラ減らん?」
「ん。それじゃ何か作るか」
ベッドにふたりで寝転びながらオンラインゲームをしていたのを中断して拓が起き上がる。
「何食いたい?」
「外出ンの?」
「家にあるので間に合うなら作るけど?」
「外出たくないからな~。テキトーに卵かけごはんとかでいいー」
「それだけ、ってのもなァ」
「いつもひとりのトキはそーしてるんだろ?
ワザワザ作ったりしなくていいよ」
まだ対戦中だったスマホを二台操作しながら言うと、
「ひとりでならそれでいいけど、お前もいるしなー。
ちゃっちゃっと丼物でもいいか?」
「うんー。あっ!あー…ぁ、負けたぁ!」
ゲームに負けてしまいガックリ肩を落す。
チクショウけっこー好戦してたのに!
「コンテニュー俺の魔石つかえよ。まだ残ってるし」
「いいの?課金もったいなくね?」
「課金とかしねーわ。
ログボーで溜まってるやつだよ」
「あぁ、そゆこと」
「じゃ、メシ作って来るからゲーム勝てよー」
「あーい。」
コンテニューのロードの間、ベッドから見える台所に立つ背中を盗み見る。
(なに作るンだろ?)
意外と料理上手な拓也の手料理に
ちょっとワクワクしてる自分。
*ログボー*
ソーシャルゲームのログインボーナスの意。
最初のコメントを投稿しよう!