ふたりのじかん

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しかも、しかも。 疲れる出張の合い間の休日に、高速を使ってまで地元に戻る俺の健気さったらなくないか? 仕事終わりに出発して、一泊して翌日夜にはまた戻らないといけないのに。 片道2時間半。 帰るのは実家ではなく拓也のアパート。 「たーだいまー!」 合鍵で開けたドアに玄関先に荷物を降ろす。 「あれ、拓まだ起きてたのか?」 明かりのついた部屋で拓也は神妙な顔して立っていた。 「玄関も台所も暗いからてっきり寝てるか仕事してんのかとおもってたのに」 「…あぁ、うん。」 テンションがギューっとあがっていく俺に、拓也は素っ気無い。 「…?なに、どーしたん?」 「いや…渉、いま来たんだよな?」 「へ?うん。そりゃ、いままで仕事だったし。」 首を傾げて答えると、ますます拓也は顔を歪ませた。 「じゃぁ、一昨日は?ウチに来たか?」 「いいや?無理に決まってるじゃん。…なんだよ?」 すると拓也はコンロのほうを指差し、 「あのカレー、お前が作ったんじゃないんだな?」 「カレー?」 たしかにコンロの上には鍋がのっかっていたが、だからどうしたというのか。 「さっきから、なにゆってんの…?」 「いや。なんか俺が居ない間にカレーが出来てた。」 「ちょ、意味わかんないんだけど?」 「俺にもワカラン。だから気味が悪いんだろーが」 、
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