ふたりのじかん

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ヒヤッと居心地悪くなる。 「ちょ、え~…? もしかしたら寝惚けて作ったとかかもしれねーじゃんよ」 「それはない。 カレーなんて大量に作ってみろ。 俺の仕事で毎時間せっせと火入れしないとダメになるもんなんか作るか」 「あー…そう、なの?」 そういうもんなの? でも、うん。カレーならレトルトでダース買いしてるのは知ってるから不自然ではある。 「それにな」 「まだ、あんの?」 「ある。この部屋、掃除されてんだよ。いつの間にか。」 「えぇー…なにそれえー…」 カレー作ったり掃除したりって、なんなのそれ。 童話の靴屋の小人みたいなのがやってきているとでも? 「実家のお袋に聞いてみても知らないっていうし、ならお前なのかとも思っていたんだが…」 「俺なわけねーじゃん。」 「…らしいな。」 顔を見あわせてお互いに黙り込む。 、
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