ふたりのじかん

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戻ったらスグに玄関にはチェーンを掛けた。 「ただいまー」 「おかえり。ありがとうな、重かったろ?」 「これくらい持てるし。っつーか、 ケース買いした水が一番重たかった。」 米どころの田舎出身らしく、拓也は水道水を嫌う。 それから野菜ジュースも好んで飲む。 「米も高いヤツ買ったからな。それでもまー、お前ンとこの新米よりは不味いだろうけど我慢しろよ。」 レトルト食品、インスタントラーメンはシンクの下に収まったが、まだ余裕があった。 普段、どれだけストックしてたんだよ。 レシートとカードを返しながら、買ってきた弁当とビールはテーブルに置いた。 「はー、疲れた。 もう片付けは後にしてメシ食おうぜ。」 「こっちはもう終わってる。お、ビールもあんのか」 「休みだし、飲もうとおもって。 それにヤじゃん? シラフで気味悪い話するってのも。」 「それもそうだな?」 向かいに座る拓也も気が抜けたように 突然のアクシデントにやっと一息ついて、箸をとる。 、
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