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俺の、なぁ…。まだ無理そうだろ?」
「試してみなきゃわからねーじゃん」
「そうだけど。…アレ、失敗したらお前が痔になる可能性があるんだぞ?」
「痔…痔か~…」
それは嫌だ。
座り仕事ではないけれど、長時間立ちっ放しな仕事なだけに不安が過ぎる。
「せめてバイブの一本は入るようになってから、にしよーぜ」
「おい、ソレはソレで嫌なんだけど?」
まだ『慣らす』ためにローターだのを使うのは解る。
でもあんな露骨な張形はお断る。
「俺の人生初の、一度っきりの貴重な初体験がオモチャはねーだろ?」
いわば、俺は処女も同然なのだ。
「この際、多少痛いのは覚悟する。っていうか…多分痛いだろうし。
でも、その痛いのをモノでヤラれるのと、
ちゃんと責任持ってお前にヤラれるのとは、全然意味が違うだろーがよ?」
言ってビールを掴みあげ、グッと目の前に突き出す。
拓也も同じ様に持てよ、と、目で合図した。
「意味、解った?」
「つまり、責任は取れよってことか?」
「あたりまえ。」
中身の少ない缶同士がボスっとぶつかる。
「もしヤレないなら、俺がするし。」
「え~」
「なんだよ、順番だっつったじゃん」
「わかった。それじゃー来週にしよう」
「来週な、おけ。」
ついに、約束をとりつけ(てしまっつ)た。
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