ふたりのじかん

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布団の中でジャレてキスと軽い愛撫からまた始めての仕切り直しをしようとしてた、 …その時、 ―ガチャッ 玄関から奇妙な、在り得ない音が静かな室内に響いて拓も俺もビクっと固まった。 動きを止めて、布団の外に耳を澄ます。 すると玄関のドアが開き、コツコツと足音が中に入って来た。 (…あっ!) 俺がチェーンを閉め忘れていたと気付いても、もう遅くて。 照明はオレンジの豆電球だけの暗い室内に響いたのは、女の声。 「え…誰かいるの?」 「…真希?」 玄関からの直線上にベッドは配置されているが、その間には引き戸があり棚も置かれてあって頭越しに確認することは不可能だったが、間違いなく声の主は真希だった。 「渉…?あ、えっと…拓也は…?」 コチラに近づいてくる足音に焦った。 (ちょっと、ちょっと!待て待て待て!) 今の状態を誰かに見られるわけにはいかないっ 真っ青になる。 、
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