ふたりのじかん

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布団の中に隠れていても、様子が容易に想像できる。 (つまり…今、別れ話の現場に居合わせちゃってるワケだな。) なんて居心地の悪い。 けれどそんな俺の心境なんか知る由もない真希は 「渉、そこに居るんだよね。 …わるいんだけど、帰ってよ」 (そうしたいのは山々なんですが、うごけません。) 隠れて見えないとはいえ、綿シャツだけしか着てないのだ。 こんなんで出てみろ、どうおもわれるか。 「あー…っと」 「渉が帰るひつようなんかない。お前が帰れ、マア。」 バッサリ冷たく拓也は言い放った。 「なんでよ、拓也には無くても私にはあるのっ!!」 震えた声で真希は叫んだ。 「私、私…やっぱり納得できないよどうして急に別れたいなんていいだすの!?」 とうとう泣き出したらしい。 か細い嗚咽が漏れていた。 、
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