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「もう好きじゃなくなったから。前もそういわなかったか?」
「だから!なんでっ!
わたし、3年も待ったんだよ!?
もう27にもなって、それなのに…それなのに拓也は勝手だよっ!」
女の細腕で紙袋を床に投げつける。
中からは本やCDが滑り出て床に散乱した音が聞こえた。
「そりゃあ、俺の人生だからな。自分の好きなように生きるさ。」
「…なによそれっ!!」
床に散らばった荷物を拾い集めると、拓也はそれをそのままゴミ箱に棄てた。
「っなに、してるのよ!せっかく持ってきたのに!」
「必用なものは買いなおしたから、これは不用品だ。」
重くなった袋を結んで持上げる、音もする。
「拓也っ!」
「あとな、言っておくが俺も渉もお前のおもい通りになるために生きてるわけじゃない。」
ドサッと、床に鈍い振動が伝わり
「カギ置いてさっさと帰れ。」
冷たく不機嫌な声は、心底うっとおしそうだった。
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