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「アレコレ遠回しにしててもしょうがないし、直球でいいんじゃない?」
「え、俺が聞くってこと?」
「そうでしょ。ふたりの上司はアンタなんだから」
元妻にケツを叩かれ
渋々といった様子で大里さんは
「だから、さぁ…加賀谷と真希ちゃんの間になんかあったっしょ?ってーコトを確認したいんだけどなー?」
軽く言いながらも顔は真面目になっていく。
(あーやっぱりバレてたか…)
しかして。
だからといって
「真希が彼氏と別れた原因が、俺との浮気です。」なんて云えるか。
事実は微妙に違うが、でも、拓の踏ん切りを後押しした事実でもあるわけで…
「・・・・えーっと。」
なんと言葉を繰ろうか脳がユルッと回転し始めたとき
「や、まぁ…うん。
なんとなーく察してはいるんだよ?コッチもさ。」
「まーねぇ…」
前園さんも同意するような素振りに、回転がストップ。
「…あーのー?」
「つまり、アレだろ?
え~…真希ちゃんが彼氏と別れて、その友人の加賀谷とも気まずいってカンジ」
「アンタそれは脚色し過ぎでしょっ!
ったく意気地の無い。」
バシィッ!っと大きく音がでるくらいに元夫の大里さんの背中を叩いた前園さんから
一部でもう囁かれている“ウワサ”のあらましが語られた。
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