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「でも、それなら尚更言いやすくはなったな。」
「なにがっすか?」
置いていた箸を取り、空腹の腹に刺身を放っていたら、
危惧が戻って来た。
「お前さ、そんなら知恵ちゃんの店に移動しない?」
「・・・・はい?え?…マジでいってます??」
「マジ。大マジ。」
ポロリ箸からサーモンが落ちる。
「実は真希ちゃんって前から知恵ンとこの店舗に移動願い出してたんだけど。
例のカレシと別れちゃったせいで取り下げに来たンよ。」
「いや、だからって…俺っすか?」
確かに、前園さんの店は拓也の家に今よりも近い。
真希も結婚を視野に入れていたなら、移動願いを出すのになんら不思議はないケド…
前園さんが店長をしている店は
美容室とネイルサロンの一体型の特殊店舗。
(そかも俺…その店の子とチョット関わったコトがあるんだけど…)
ロングヘアーの彼女を思い出して、首を横に振る。
「や、いくらなんでも毎日あの距離の通勤はキツイっすよ!?」
「そーなんだけどさ~…どう?」
「・・・いや、ですから、」
「一人暮らしするいい機会だとおもわん?」
「大里さん…。」
、
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