かわいそうがり

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「勤務先が変ります、ってだけで、引っ越しの面倒なんて見ないもんだぜ。 まあ、会社員だからってのもあるだろうけどな。」 「へー?でも、会社の都合でなら、ちょっとはなにかあるもんだろ?」 「ないない。 出来ませんつったら、はいクビ。それだけ。 換えはいくらでもいるのと渉みたいな顧客持てる手技術職じゃ扱いは違ってくるもんなんだな」 「そう、なのか?」 「そうだろう。」 きっと拓は気付いてないだろうけれど、俺の顔はニヤケていた。 自分の仕事を評価されたっていうのは、単純に嬉しい。 もちろん拓也の仕事だって俺には逆立ちしたって真似出来ないようなことなのに。 、
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