かわいそうがり

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拓也が言うように 「そこまでいうなら」とか「頑張ってるから」とか、かわいそうがって心が動いていることが多かった。 自分から誘って断られたら気持ちが区切られて終わり、 誘われるラクさに流されてナアナアの関係だけが残っていった。 「好かれてる」っていう自信は、吸引力が凄い。 “かわいそうだから”っておもいは、とても俺に甘かった。 加えて今回のこの引っ越しだって、 よくよく考えてみれば 「頼み込まれて、断れず。」なパターンだし。 (俺ってなんか…優柔不断。) 誰にでも「“いいひと”ぶりたい」って気がしてきた。 単純に、 「俺が断ったら誰かが嫌な思いをするかも。」が、嫌だった気持ちは、傍から見ればただのかわいそうがり。 情にもろいというよりも、ただただ、それ以上考えるのが億劫で「いいよ。」と流されてるだけ。 (そのクセ自分ルールは曲げたくないんだよなぁ…) そんな風に、妙に俯瞰して納得した。 、
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