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朝まで開いてるBARにはしご酒。
週末なら込み合う店も午前0時を過ぎればそれなりに席もまばらになっていた。
「カウンターに行く?」
「けっこうお酒はいっちゃってるからゆっくり座りたいかなぁ」
「おけ。じゃ、シートにしよう。」
四人掛のボックス席。
ゆったりふかふかなソファに身を委ねカクテルをオーダー。
「マアが週末休みって珍しいよね。」
「前もって休み希望出せばなんとかね。」
OLのあこ(敦子)と違って美容師の私は定休日以外に固定休がない。
「ってことは、明日は“例のカレ”とデート?」
ニマニマした顔してあこが聞いてくるのは彼氏じゃないほうの“カレ”。
「向こうは明日も出勤です~」
「なぁんだっ」
「ちょっとーなにその反応、別に私とアイツはそんなんじゃないっていつもゆってるでしょ?」
同じ店に働く加賀谷渉と私が「そういう関係」なのを知っている敦子は、つまんなそうにカクテルのグラスを持上げた。
「だぁって~気になるもーん。
カレシよりも好きなんでしょ?」
「そりゃそうだけど…」
だけど、でも。
絶対に私のものだけにはなってくれないヒト。
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