ヒロイン失脚

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渉のときみたいな激しい「好き」はないけれど、 これまで時間を重ねてきた分、拓也には信頼と愛情が育っていった。 「彼氏より好きでも、愛情が大きいほうを大事にしたいんだもん」 「結局、そうなるよね。」 「好きって気持ちよりも、愛情は安心感があるって言うかさ」 「彼氏といると、安心するならそれで正解だと、私はおもうけどね。」 「うん。…でも、」 「好き」だから、離れたくない。 …その感情が、私の足を引張る。 「いい加減、さぁ…こういうの終わらなくちゃっておもうんだけど…」 「でも、まだ好きなんでしょ?」 「好きだから、困っちゃうンだよ~…」 テーブルに突っ伏して、溶けそうになる。 「逆に、そこまで好きなら貫いちゃえ!っていうのはどう?」 「えー?でも、どうせ浮気しまくるよ~?」 「あ…ソレは無いわぁ~」 「でっしょー?」 いくら好きでも誠実じゃない男よりも、 優しくて信頼できる彼を選ぶのが正解だって、とっくにわかってる。 、
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