ヒロイン失脚

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あのまま離れてしまえば、きっとみんな幸せになれたハズ。 …そこまで解ってて、 みっともなくプライドもかなぐり捨てて追いかけてしまった。 「こんなに好きなのに!」言いたいのに、彼氏を作ってしまったばっかりに言えなくなって、 でも、離れることも出来ない。 現実でもこんなに痛いのに 便利なSNSは私をいつも惨めにさせる。 タグでアップされる関連インスタで知る、私の知らない渉の時間。 そうやって好き勝手遊び歩く男を 責める資格もない女になっているのに、 「最初の条件飲んであげたでしょ? 最後の幕引きは自分からしたいよ。」、とか変な意地がある。 なにもかも捨てさせられた私の、最後のカードはそれしか残っていないから。 それに、彼が、縋れば手を解かない男なのも知っていた。 コッチが変に意識させなければ、 これまで通りでしょ?って態度でいれば、 必ず油断するとおもっていた。 だってそういうヒト。 ワガママで優柔不断なくせに、弱い人間にはキツクなれない「優しい」人間。 私を少しでも好きだからなのか、それとも男友達に負い目を感じてるのか、ただ何も考えていないだけなのか。 時折、元気がなくなると「落ち込んでるのか?」って気遣われたり、優しくされると、私の砕けたプライドはちょっとずつかき集められて、大きくなった。 、
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