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あこが言うように、私はズルイ。
渉のせいで空いた不安と云う心の隙間を埋める為に拓也と付き合っておきながら、
その原因の渉に拓也では足りない部分を求めて。
「あーぁ、私がダメなのかなぁって自己嫌悪。」
「マアは悪くないでしょ。そもそもカレが悪人なだけで」
「あはは~そうかもっ!」
そう笑い飛ばしても。
他人に、渉のことを悪く言われると心が軋む。
拓也を褒められると、複雑な心境になる。
「よーっし!もうあんな男と別れてやるーっ」
「あはははっ!いいじゃん、おもいっきりコテンパンに振っちゃえ!」
「でも~…なー…」
勢いつけたクセに、また萎む決意。
「なによ?」
「んー、だって、こんなことしてて彼氏に申し訳ない気持ちもあるから、…さぁ」
「それはそれ、これはこれ。
ちゃんとするのが誠実なんじゃない?」
「ハイ、ソーデス」
わかってるんですけどね。
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