ヒロイン失脚

17/24
前へ
/415ページ
次へ
夜明けの空、早朝の薄暗いオレンジとピンクを水に溶いた色した窓を見上げて 部屋に泊めてくれる敦子のベッドに寝転んだ。 気怠るい身体。 目を閉じて沈む眠気にまどろんで、意識はゆっくりと落ちていきそうになった。 …のに。 眠れない。 瞼の裏にチカチカ、チラつく『現実』の二文字。 『将来』と『結婚』も。 なんだかんだと笑って終わらせても、足を伸ばす黒い不安。 (…いい加減、私も、幸せになりたい。) 敦子は優しくて、渉を嫌いなのに応援してくれてて。 ・・・だからこそ、私は、これまで頑張れてた。 拓也にも救われていたけれど、支えてくれてたのは、なんでも言い合えて、最後は応援してくれる友達の存在が大きい。 ― 応援してくれるあこをガッカリさせたくないなぁ…。 その気持ちは、私の背中を押してくれた。 、
/415ページ

最初のコメントを投稿しよう!

530人が本棚に入れています
本棚に追加