ヒロイン失脚

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顔を上げた先には不機嫌そうな渉が立っていた。 「…は?普通に「了解」ってだけ返したけど、なに?」 ホッとした。 「あっごめん…」 「別にいいけど。」 後を通り過ぎ、冷蔵庫から出したビールを手渡される。 「あの、ごめん。変な言い方して」 「いいよもう」 スグ怒るけど、スグ機嫌も直す渉の単純さに安心してソファに腰掛けた。 「そういえば、相談ってなに?酔う前に聞いておきたいかも」 ホラ。 もうこんなに気遣ってくれてる。 やっぱり、優しい。 (渉のこういうとこ…好き。) だから…聞きたい。 もういい加減、ハッキリさせたい。 拓也を疑いたくない。 渉に罪悪感を持ちたくない。 最初とは逆になってしまいそうな状況に、息苦しくて逃げ出したい。 でも、そのためにも向き合ってすっきりしたいって、おもう。 、
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