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そこから先は諦めて渉の言葉に乗って調子を合わせた。
もう…何も言うまい。
何をどう言ったって、テンポを外されるなら諦めるしかない。
言葉を逃がす彼を深追いして傷付きたくない。
決定的な台詞を聞きたくない。
…って、逃げたいのに、女の部分が、最後の最後で顔をだす。
「私、ちゃんと渉のことも好きだよ。
でも、結婚はしてくれないでしょ?」
「そんなこと、ないとおもうけど…」
ウ ソ ツ キ
ここまで来ておいて、まだ言葉を濁す彼が、本気で私を好きだなんてありえない。
なのに期待も捨てきれない。
私は騙されてる素振りで笑う。
かき集めたはずのプライドはちっぽけだった。
、
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