性悪。

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一週間前にこの店から出て行くスタッフ送別会も終わり、最終日には花束も貰い照れ笑った。 「よっし!今日も飲みにいきましょー!」 見習いの六花が叫ぶ。 「ヤだよ。まだ引っ越しの荷解きも終わってないのに明日っから別の店なんだぜ?」 「え~っ」 「ってかもう散々飲んだっつーの!お前らに付き合ってたら肝臓爆発するわっ」 懐いて慕ってくれる後輩に見送られての最後は、最高に嬉しい。 それにそうやって大袈裟に騒ぎ立ててくれたのも、俺には助かっていた。 残る期間、同じ店で顔を合わす真希との距離があからさまに遠のいていき、でも、誰も気には留めなかったから。 (さすがに、あんな場に居合わせちゃあなぁ~…) 拓也に決定的に別れを突きつけられた場に、俺も居たのは向こうもわかってる。 、
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