530人が本棚に入れています
本棚に追加
確かに、一般常識的に仲違いすべきは俺と拓也だろう。
同じ女と関係を持ったのだから。
…けれど。
拓は真希を選ばなかったし、俺も彼を選んだ。
そんなことを、ワザワザ言う気はないけれど、だからといって責任を押しつけられるならお門違いだといいたい。
「もし、アノ時、拓が言った事が引っかかってるなら…俺もそうだぜ。」
拓也は最後の引導を放棄する瞬間、『俺と渉は』と、言った。
それに関しては、俺も引っかかった。
なんでバラす必用がある、と。
「ま、なんだ。
どっかで気付かれてたにせよ、拓也が言い出したらきかない性分なのはお前も知ってるだろ?」
「ほんとうに…渉がじゃない、の?」
「それで、アノ場にいられるとおもうか?」
渡された引導をグズグズ掴まない女に軽く苛立つ。
最初のコメントを投稿しよう!