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「あぁ、でも。
多分、相手が俺じゃないとはおもってるかもな。」
「え?」
「だって、そうじゃん。
もし俺だっておもってるなら、まだ友達で居ようとなんておもわないだろうし。」
本当は知られてたけれど、こちらはシラッと通す。
捻くれてる俺の思考回路は、真希の傷心も逆手にとった。
「結局さ、真希はどうしたかったンだってのが重要なんじゃない?」
責任転嫁します。
だから
ミラー越しに目を合わす必用もなかった。
馬鹿らしくて。
同じ男を取り合ってるモノ同士、ベクトルは同じ方向を向いていなくてはいけない。
だから…もしも万が一。
「ほんとうに、何も言ってないんだよね?…なら、私は、」
後から剥ぐような勢いで縋りついてくる手は、俺の不快指数を一瞬で高めた。
振り解こうとしても離れない手に嫌悪感も増し、気分が悪くなる。
「簡単に乗り換えるトカ、…引く。」
低く唸る声に真希の縋る手が硬直し、
簡単に振り解けた腕を抱え、ドアに背を預け乗り出した女と目が合った。
、
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