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―――それなら、
そんな風に云うなら、
拓也の三年間を返して欲しい。
きっと無駄だった。
「俺の事はすきなだけ悪く言ってもいいけど、拓のことそうやってバカにするな。」
精一杯押さえて吐き出した感情は、それでも低く落ちていく。
「拓也は関係ないじゃん…」
「っふっざっけんなっッ!!」
ガンっ!っとハンドルを拳で叩き怒りが露になる。
運転席で身動きとれなくてよかったっておもう。
だってもしも、向かい合っていたら…きっとその顔を張り倒していたかもしれない。
一瞬だけ言葉を詰らせた真希は、けれど、火がついたように咆哮した。
「拓也のこと好きだったよ!でも、それは…渉がちゃんとしてくれないからじゃないっ!」
「ンっだ、それ。俺がどうにかなってたら、拓とは付き合わなかったってこと?」
「そういう話じゃないじゃんっ!
なんで拓也のこと引き合いに出すのっ!?」
「そりゃ、そうだろ。お前の彼氏だったんだから」
「…なによ、それ…っ!なに…私が悪いの!?」
ワッと泣きながら真希は前のめりに身を乗り出して俺の頬を叩いた。
正に修羅場。
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