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沈黙の車内。
赤信号に引っかかって一時停止する。
「あの、さ…」
重い空気を破ったのは、やっぱり、真希からで。
「私…これからどうしたらいいの?」
「さぁ?」
なんだその質問。なんで疑問形?
「真希はどうしたいわけ?」
「わたし?」
「そうだろ。俺は、真希にフラレた。
そっちは拓にフラレた。
もう、自分で自分のこと決めるしかないんじゃないのか?」
「渉と私と、…やり直すっていうのは?」
「ナイだろ。なにそれ。」
「…なんで?だって、もうフリーだよ、わたし」
「だから?」
「少しでもいいよ…渉が、私のこと好きなら、…ちゃんと、付き合いたい。」
「無理。」
信号が青に替わる。
発進させた車は、俺実家の近くも通った。
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