性悪。

17/21
前へ
/415ページ
次へ
「なんで?」 やけに「なんで?」が多いな。 俺も、真希も。 納得していないから仕方ないことだけど。 「フラレた時点で俺の中で終わってるもん。 …っていうか、ホッとしたし。」 「…なに?」 ハンドルを切って角を曲がれば、もう真希の家の前に着く。 「俺は、真希と終れてホッとしてる。 …拓にもう後ろめたく感じなくていいって、おもいで。」 「また、拓也なの?…私のことは?」 「俺は、真希より拓のが好きだし。 だから、ずっと…いつバラされるのかって気が気じゃなかった。」 「そんなこと、するわけないでしょっ!」 「でも、…じゃん。 俺は先に真希から離れようってした。 気付かなかったかもしれないけど、俺の中で、友達の彼女になった真希とのことは負い目になってたし」 ワザと、非難の台詞をあえて選んで投げまくった。 真希の家の前に停めた車内の空気は、ガラリと変わる。 「わたしが、悪いっていうの…?」 絶望の色で彼女は顔を青白くしていた。 、
/415ページ

最初のコメントを投稿しよう!

530人が本棚に入れています
本棚に追加