性悪。

18/21
前へ
/415ページ
次へ
「真希だけが、っていうのでもないけど。 俺も最悪だし。 …拓が、ほんとうに何も知らないでいるなら、そのままでいて欲しい。」 「拓也は、なんでわたしと別れるって…言い出したのかも聞いてないの?」 「聞いてない。アイツそういうの言うタイプじゃないし。」 「なら、…なんで」 最初から俺のせいだと決め込んでいたらしい真希は肩を落した。 (俺があれだけいっても信じてなかったってワケかい。) マジかよ。 「真希が俺との事、拓にバラシてなかったなら、…なんでだろうな?」 「わかんない…」 つい十数分前までの勢いはどこへ。 虚ろな視線を彷徨わせた彼女は覇気がなくなっていた。 つまり、それだけ状況を楽観視していたんだろうな。 拓也がダメなら俺。 俺がダメなら関係清算したという言い訳を切り札に拓也と戻れる…とか、って。。 「結局さ、真希はどうしたかったわけ?」 「…わかんない。でも…幸せになりたくて」 「拓也と?俺と?」 「……どっちとも」 「それってどっちでもいいってこと? そんなの、アイツが納得するわけないじゃん。 そういうのがバレてたんじゃねーの?」 「ぁ…」 俺を見上げる視線を避ける。 「もう、家についてるよ。降りたら?」 「…わたる、」 「そんな顔されたって、俺の出る幕じゃないだろ? 真希が自分で決めて、拓も自分で決めた結果がこうなんだから。」 、
/415ページ

最初のコメントを投稿しよう!

530人が本棚に入れています
本棚に追加