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幕引きの手応えの無さを感じつつも、Uターンした車で明日からもう滅多に顔も合わすことがなくなるみんなとの最後の感傷に浸る。
単純な回路な俺は、簡単に気持ちが切り替わった。
「六花とか川原とは2ヶ月も一緒じゃなかったのにな~」
中途入店の二人は俺よりもずいぶんと年下なのに、真っ先に懐いてくれていたことに顔が綻ぶ。
自分の気持ちが不安定にササクレてた時期だっただけに、あの二人にはずいぶんと気持ちが救われた。
今、も。
タイミングの良さに感謝。
(そういえば、花束飾るにも花瓶なんてないな~)
とか、
そんな風に軽くなったキモチで、約束の居酒屋の駐車場に着いた。
降りる前に鏡で頬の具合を確認。
あ、意外と平気っぽい。
口の中は不意討ちのせいで切れてはいたけれど、外見はなんてことないのにホッとした。
ただ、首の後はヒリヒリするから、…多分、引っ掛かれてはいるとはおもう。
「明日、店に出るときはストールかなんかしとくかな。」
かといって今から突っ込まれるのも面倒だし、羽織っていたシャツを肩掛けにして首元を隠した。
、
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