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「ね、晩ご飯食べて帰らない?」
「俺とお前で?」
隣り合わせに留めていた車の助手席側に立っていた真希に誘われた。
「いいじゃ~ん!昨日、拓也ン家にとまったんでしょ?」
「なんだよ、もう知ってんの?」
「だって拓也ってメールの返信だけはやたら早いもん」
「あ~常にパソってるから。でも電話には出ねーしLINも既読にならねーんだよな」
「そうそう!」
ドアロックをピピっと解除した助手席へ滑り込む真希を、同僚は誰も不思議におもわない。
だって、真希の彼氏と俺が仲良いのをみんなが知ってるから。
-バタンッ
運転席のドアを閉め、窓越しに帰路につく同僚に手を振る。
「で?どこいく?」
「ん~?とりあえずコンビニ。で、DVDでも借りて一緒に見ない?」
あからさまな“お誘い”に噴出してしまった。
「おっまえ…いくらなんでもそれはねーだろ?」
「その後はもちろんちゃんと送ってね?」
「うーわー…拓がかわいそー」
「よくいう。渉だってこんなことしてるくせに。」
「ま、そうなんだけど。」
友達の彼女と浮気してる・・・なんて、最低なシチュエーションに可笑しくなる。
だって、俺はその友達の拓とキスしてるのに、って。
なにも知らないで
浮気をする真希を馬鹿だとおもった。
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