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◇◇◇
運転席のシートに背中を深く預け
フロントガラスから夜空を見上げた。
普通に見送られて部屋を出てきたけれど、じわじわさっきの感覚がいまの俺に追いついてきた。
いつものこと。
いつもの、なんてことないキスだった。
でも、
・・・なんだあれ。
(俺、なんで真希が居るのにあんなことしたんだろ…?)
でもって、拓も。
俺が抵抗したから止まった。
いや最初から拓だって続ける気なんて、でも。
・・・もし、続けられてたらどうなった?
見られたらなにもかも終わる、というのに。
なんであんな催促の仕方をしたのか自分で自分がわからないし、
スキンシップの延長にしったってやり過ぎだった。
「あいつら…付き合ってるンだよな?」
拓也と真希。
双方と「普通」ではない友人関係を持っていながら心配になる。
きっとあのふたりは今頃は情事の真っ最中だろうに。
、
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