ボーイ・フレンド

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市内を一望できる高台の公園で 「私、彼氏できたから今日が最後のデートだね」 って、由美に言われた。 「…おぉ、なにそれ自慢すか?」 「そーよぉ。いいかげん、ラクなのに流されるのは辞めようとおもって」 「へー。婚活ってやつ?」 「っていうか、幸せになりたいからかな。 渉と一緒にいると楽しいしこれでいいや~っておもったてたけど、やっぱり虚しいもん」 柵に手をついて遠くを見ながら明るく話すから、どう返せばいいのかわからない。 「え~…虚しいってなんだよ。」 「渉、わたしのこと好き?」 「うん。好きだよ?」 「…だよね~、それはわかってるんだ。」 「わかってるんだ?」 「うん。わかってた。 っていうか、好きじゃなきゃ相手にしないもんね」 「そりゃーなー」 「私も、好きだったよ。それ分かってるでしょう?」 「うん、知ってる。」 「当たり前っておもってたでしょ?」 「おもってた。だから、ビックリしてる」 「あははは~!いい気味っ!」 「なんだよそれ」 「ビックリさせたかったからね。 だから、もう、これでいいの!」 「はぁ?」 手を繋いだまま夜景を見下ろしている姿はカップル以外のなにものでもないのに、別れ話をしているというシュールさに 笑っていいものかと。 、
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