自覚。

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パタンと閉まった室内は薄暗いながら明るく、顔も見えた。 「うん?っていうか急にどうしたー?」 後ろ手に鍵を閉めた俺を見下ろす表情を引き寄せたキスは、甘くない。 痺れる感覚もくすぐったさもない。あるのは生々しい舌触りだけ。 「…ンっ」 「ぇふっ」 歯を磨いてないってスグわかった。 驚いて喋ろうとする前歯をなぞったときの歯垢のザラザラとか息の生臭さとかで。 …顔も脂でベタベタしてるし。 「またPCの日付けだけで日にちの確認を頭の中だけでやって実感の無いまま何日も過してたな?」 唇を離してそんな苦言をいってみる。 寝ないで仕事をするようになってから滅茶苦茶な時間軸のせいで数日を体感一日で生きてた証拠だ。 「いつから寝てねーの?」 「…まだ、いちにちだけ。いま仮眠とろーとおもってたとこだから」 「ふぅん。締め切りは?」 「来週までにプログラムのバグ探ししてコラムがあと2本」 「地獄だな」 「地獄だよ」 それだけの言葉を交わした今度はどちらともなく唇が塞がれた。 、
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