自覚。

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ドアに押し付けられた体勢のまま腕をまわし密着した。 角度を変え貪るようなキスは快感とは程遠い生々しさで求めるままの欲求だけを満たしていく。 俺の欲しいものは最終的に射精するための快感でも、その途中にあるまどろっこしい恋愛ごっこでもない。 「…ン、ふッ」 そのことを、拓とのキスで再確認する。 基本的に味は無い。 唾液がヌルヌルするのと舌がザラザラしてること、 歯並びがきれいだって見なくても確認できること、 痩せてるくせに頬は内側からだと肉厚に感じること、 が、好き。 いつも、いつも。 誰とキスしても何をしても満たされない自分がいた。 楽しく過す時間も、甘いひと時も好きではあるけど満たされるのは一時だけで。 いつも、どうしようもなく渇いていた。 欲しくもないもので穴を埋め、それでもその場凌ぎの穴埋めでは簡単に崩れてしまってまたポッカリ空洞になる。 でも、その穴の埋め方を他に分からないから同じ方法で埋める繰り返し。 、
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