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少なからず“気持”があるキスってのはフワフワしててちょっとだけ痺れるような甘さとくすぐったさがある。
いままでずっとそうおもってた。
疑わなかった。
けれど、いくらその夢のような甘さに埋もれても、所詮は夢でしかなかったと、冷静になるたびに白けていく。
どんどん大きくなる空洞をちゃんと埋めたのは
好きでもない男との、生々しいキス。
拓也と俺のリアルな肉感。
いましている現実的な匂いと味と感触で体感できる現実。
目に映る光景と耳に響く息づかいや水音を足して五感で満たされる。
、
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