自覚。

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―ガリガリっ ドアノブが不快な音を立てて回りだしたのだ。 その振動は背を預けていた俺の心臓に直接不安を煽り 「…っ!!」 鍵が開く寸前で咄嗟にノブを掴んでギリギリ開錠する寸前に全力で“ツマミ”を必死に押さえる。 「…あれ?開かない?」 背中越し、ドアの外から女の声がする。 ピンポーン チャイムも鳴った。 「おーいっ!真希だけど、拓也~っ!?」 ドアをノックしながら俺が掴んだノブをガチャガチャ回そとする。 「…!?!?」 焦って声にもならない。 その時、ギュッと俺の手を上から強く拓也が押さえ込んだ。 「ねーえー!?」 「マアか?」 「そーだよー。ねー、あけてよ~」 俺の真横で、ドア越しとはいえ…カップルが会話している。 なんだかやるせなくて俯いた。 「っ・・・」 チャックの隙間からモノなんか出してシミ作って…うわっ 声を押し殺そうとしたら…肩が震えた。 、
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