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シャワーを浴び、あかねは服に着替えた。
時計は朝の6時を回っていた。
亮はまだ寝息を立てている。真白で美しい肌。そして少しクセのある髪の毛。
着やせするタイプなのか、たくましい腕や胸は、まるで彫刻のように美しかった。
あかねはそっと亮の前髪をわけ、その美しい顔を眺めた。
次の瞬間、ふいに額に置いた手を握られ、あかねはベッドに引き戻された。
片目を開けて、亮が悪戯っぽく笑った。
亮の腕の中で、あかねは言った。
「起きてたの?」
「うん、今」
「今日学校でしょう?そろそろ支度しないと・・」
「何時?」
「6時過ぎよ」
「まだ大丈夫」
そう言うと、あかねの額にキスをした。
「あ~、あかねさんずるい、もう服着てる」
あかねはクスッと笑った。
「あかねさん」
あかねの目を見つめながら亮は言った。
「なに?」
「僕のこと好き?」
「・・・」
「僕は言ったよ。正直に。あかねさんのこと好きだって。あかねさんは?」
あかねは、ほんの少しうなずいた。
亮は腕に力を込めた。
「・・あかねさん、僕と付き合ってください。その、ちょっと順序が違っちゃったけど・・」
あかねは亮の顔を見た。
亮はまっすぐな目であかねを見ていた。
「亮くん・・」
「?もしかして、あかねさん。誰かほかに好きな人がいるの?」
「え?そうじゃなくて・・」
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