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「いつまで?」
「わからない。返事が来るまで」
「わぁ、あかねさんも罪な人だな~こんな純情な亮くんを前に、よくそんなことが・・」
「口のきき方気をつけろ。あかねさんは悪くない」
亮は突っ伏しながら、顔だけじろりと祐二を見た。
「でも、期限は設けてもらわないとだろう?この状態がずっと続くとなるとおまえもつらいし。電話して、それだけ話してみろよ」
「電話番号知らない」
「え?知らないの?」
「だって、いつでも会えると思ったから、聞こうともしなかった」
「なるほど・・ご近所だもんなぁ~。そこが落とし穴だったか。離れてる間も、お互いがまったく何してるかわからない方が、まだ楽だったかもなぁ~。なにせ、毎日カフェの前通るわけだから、余計気になる・・」
「・・・」
「店には来ないでくれって言われたのか?」
「いや」
「ピアノ、貸さないとも?」
亮は首を振った。
「なら、あかねさんのこととは別に、店行ってコーヒー飲んだり、ピアノ借りたりはいいんじゃないか?」
「・・・」
「って訳にもいかないか」
亮は席を立ち部屋を出ようとした。
「おい、亮!」
「寝る!」
亮は自分の部屋へと去って行った。
部屋へ戻るなり、亮はベットにもぐりこんだ。すぐに眠ってしまいたかった。が、眠れそうにない。あかねのことばかりが頭の中をぐるぐると駆け巡っている。
「ニャ~」いつの間に入ってきたのか、にょんたんは鳴き、亮の布団に入ってきた。
亮は上向きになり、にょんたんと天井へと両手でもち上げると
「おまえはいいな。いつでも好きな時に好きな場所へ、好きな人のところへ行けて。おいしいものたべて、かわいがられて。・・ところで、あかねさんはどうしてる?」
にょんたんはそっぽを向いている。
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