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「まぁ、人助けだと思ってやってますが、これでまた一人、僕を恨む人が増えたかと思うと複雑な心境です」
「恨んだりしないわよ~ごめんなさいね。なんだか、いつもこんなことばかりさせちゃって。キーちゃん以外、頼める人がいなくて・・」
「それなら、今度からその役は僕がしましょうか?」
そう言いながら、亮はあかねの前に現れた。
「そっか!キーちゃん20歳だ」
「そうですよ、あかねさん。どっから21が出てきたんですか?」
「えっと・・慌てちゃったのね。きっと」
あかねは助手席で少しだけうろたえたように答えた。
隣で運転している亮はクックッと笑いをこらえていた。
「21歳は亮さんと祐二さんですよ。私の一つ上」
「あ~、そうだったわね。そうそう」
亮は笑いをこらえるのがやっとだった。
「キーちゃん、このあたり?」
「うん、そう。あ、ここで止めて!ありがとう亮さん」
「いえいえ、キーちゃんこそ。今日はお疲れ様だったね」
「本当ですよ~。まぁ、慣れてますけどね。あかねさんはどこ行ってもモテちゃうから、大変なんですよ、断るの。ね、あかねさん!」
「えっと・・・キーちゃん、明日明後日はお休みだから、ゆっくりしてね
本当に今日はありがとう!お礼するから」
「は~い。じゃぁ、亮さん、あかねさんをちゃんと送り届けてくださいね」
「わかったよ」
「さようなら~!」
キーはマンションの中に入って行った。
「くっくっ」
車を走らせながら、亮は笑いをかみ殺していた。
「なによ~」
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