十一

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「まぁ、人助けだと思ってやってますが、これでまた一人、僕を恨む人が増えたかと思うと複雑な心境です」 「恨んだりしないわよ~ごめんなさいね。なんだか、いつもこんなことばかりさせちゃって。キーちゃん以外、頼める人がいなくて・・」 「それなら、今度からその役は僕がしましょうか?」 そう言いながら、亮はあかねの前に現れた。 「そっか!キーちゃん20歳だ」 「そうですよ、あかねさん。どっから21が出てきたんですか?」 「えっと・・慌てちゃったのね。きっと」 あかねは助手席で少しだけうろたえたように答えた。 隣で運転している亮はクックッと笑いをこらえていた。 「21歳は亮さんと祐二さんですよ。私の一つ上」 「あ~、そうだったわね。そうそう」 亮は笑いをこらえるのがやっとだった。 「キーちゃん、このあたり?」 「うん、そう。あ、ここで止めて!ありがとう亮さん」 「いえいえ、キーちゃんこそ。今日はお疲れ様だったね」 「本当ですよ~。まぁ、慣れてますけどね。あかねさんはどこ行ってもモテちゃうから、大変なんですよ、断るの。ね、あかねさん!」 「えっと・・・キーちゃん、明日明後日はお休みだから、ゆっくりしてね 本当に今日はありがとう!お礼するから」 「は~い。じゃぁ、亮さん、あかねさんをちゃんと送り届けてくださいね」 「わかったよ」 「さようなら~!」 キーはマンションの中に入って行った。 「くっくっ」 車を走らせながら、亮は笑いをかみ殺していた。 「なによ~」
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