第10章

10/15
前へ
/15ページ
次へ
『どちらさま?』 『私、高柳総合病院の院長の娘の高柳幹江と言いますが、北山先生はご在宅ですか?』 『兄はいますが、今、彼女とイチャつき中なので、無理だと思いますけど…』 おいおい…俺達は、イチャつくどころか、飲んでるけど!? 『本当なんですね…彼女さんのお話…断る理由かと思ってましたが…』 『えぇ、兄は、彼女とラブラブですし、壊さないでいただけますか?』 『そんな、ずっと、好きだったのに……会わせてください…』 『それは、あなたの勝手でしょ…兄は望んでいません。二度と来ないで下さいね。 迷惑ですから…どうしても会いたいと言うなら、ヤッてるのを見ます!?』 『いえ、結構です。帰ります…』 帰ったようで、妹が戻ってくると――― 美帆は真っ赤な顔をし、俯いた。 「やっと帰ったわよ…疲れたぁ…」 「おい、志保、あれは、なんだよ…」 「なんだわじゃないわよ…あぁでも言わないと、帰らなかったわよ…まったく…」 プンプンしながら、ビールを飲んだ。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加