第15章

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慌しく、弁当を食べて戻るが、気になるのは、美帆の事で… 「マジで、心ここにあらずだな」 俺の背中を叩き、次の患者を診る須山。 はぁ… 時間だけが過ぎていく…… 10時を回り、やっと帰れるようになった俺は―――― 「お疲れ様です。お先に失礼します」 医局を飛び出した。 それなのに通路で『北山君』と声がかかり、振り向けば外科部長。 「お疲れ様です」 「お疲れ…それで、なんだが…」 すごく言いにくそうに『明日、当直を代わってもらえないだろうか…』と… 聞けば、今日の事故で、怪我したご両親がドクターの中に居てと…不安がる親の傍についていたいからというらしい。 「あの、今回は、すみません。」 そう俺は断った。
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